新地域支え合い事業

平田運動公園仮設住宅(岩手県釜石市)

仮設住宅について

2011年3月11日東日本大震災に見舞われた釜石市。
仮設住宅で暮らす方々に安心と安全のサポートを提供している。

 

コミュニティケア型の仮設住宅で
自然に交流が生まれている

東日本大震災での被災者が暮らす釜石市平田地区の運動公園には240 戸の仮設住宅がある。
ここは東京大学高齢社会総合研究機構が提案した「コミュニティケア型仮設住宅」と呼ばれる孤立を防止した造りになっており、入居者同士が顔を合わせる機会が増えるようにと玄関が向かい合わせに並んで建てられ、また住宅の路面をウッドデッキでつなげ、アーケードで覆うなど入居者同士の交流が自然と生まれる仕組みになっているのが特徴。
ウッドデッキでは椅子を持ち寄り、アーケードの下で楽しく会話をする姿がみかけられる。
敷地内はデイサービスがあるサポートセンターを中心に、高齢者・障がいなど何らかのケアを必要とした世帯が集まるデッキでつながりスロープ付きバリアフリーの「ケアゾーン」、親同士が交流しやすいように小さな子どもがいる世帯を集めた「子育てゾーン」、そして「一般ゾーン」と3つのゾーンに分けられ小さな町のような構造になっている。厳密には、はっきりとは分けられてなく若干、一般にもケアにも子どもがいる世帯が入っていたり、子育てに子どもがいない世帯が入ってる。これは、コミュニティが偏らないようにするための仕掛けのひとつだ。
また週2回の医師の診療、スーパーマーケット、美容院、衣料店などが設けられ、入居者にとって住みよい場所になるよう整備されている。

活動のきっかけ

入居者同士の力で
住み良い場所にするために

  • 総合相談...生活相談・介護相談など
  • 生活支援...買い物、配食サービス
  • 地域交流事業...イベント開催・情報発信
  • 介護サービスデイ
  • 介護予防...体操教室
  • 仮設住宅巡視
  • コミュニティサロンの開催           ...など

敷地内の中心に位置するサポートセンターでは、株式会社ジャパンケアサービスが市から委託を受け入居者のサポート業務をしている。
「平田地区仮設住宅は、別々の地域で被災された方が入居しており、入居者同士の交流を深めることを重要視しました」と上野さんが話す。
そのひとつとして、回覧板をつくり隣同士の方が顔を合わせることが多くなるようにし、情報共有により話題が生まれるようきっかけづくりをした。このことは非常に有効的で、早くコミュニティがとれたそうだ。今では自治会もできたことで一任し、回覧板として本来である住民からの情報発信となっている。
自治会は当初センターが、入居者の中から6 人を「立ち上げの世話人」として依頼をしていたが半月過ぎると自ら役員になると言い、発足に至った。
今までサポートセンターが行ってきた回覧板をはじめ、地域の課題解決などは自治会で話し合いをして自分達の手で住みよい生活へと考え行動している。
通路にある木製の長椅子は、入居者の男性陣との手作りだ。これは入居者からの椅子が欲しいという声を利用して「みんなで一緒に作る」過程を重要視し、コミュニケーションを図った。
晴れてる日には、デッキの部分で入居者とボランティアでお茶飲みをする。その際、わざとさりげなくボランティアに席をはずしてもらう。これは、後から誰かが来たときに、先にいた人がお茶を入れたりと入居者同士で交流できるようになるからだ。「住民同士でやれるように。これから、2 年後・3 年後、仮設がなくなったときに、自分達で自発的に歩まれることが私達の目標です」と上野さん。
今まで何十年もの間、築き上げてきた生活の中で自然とできていたことがゼロまたはマイナスからのスタートだ。前の生活の感覚を取り戻すことができることを願い、復興に向けて人々の日常生活の絆を考えながら上野さん達は活動を続けている。

心身ともに、健康に暮らせるように

朝、巡視をする中で必ず顔を見て、声を聞くことを必須としている。表情、声のトーンなどからその人の健康状態を確認するためだ。
ケアゾーンには、21 件にテレビ電話設置してあり、センター側からも確認できるシステムをとっている。
3つのゾーンを合わせたレクリエーションを定期的に開催し、入居者同士の親交を深めている。
また、センター内には気軽にお茶を飲みながら交流できる場所として、誰でも自由に集まる事ができる「ゆったりカフェ」と名前をつけたスペースを設けている。

スタッフ(活動者)との連携

ジャパンケアサービス社員、大船渡から2 名、釜石から1 名。地元で職員採用募集をして新規採用で12 名の計15 名。全員地元の方で被災者でもあるが、一番地元の気持ちがわかる近い方を募集した。

メッセージ

生きがいは自分達で見つけていくしかありませんが、見つけるためのサポートも必要だと思います。
何かを始めるきっかけがあれば自分のやりたい目標を見つけだすことができ、自主的に前へ進んでいけると思います。
高齢者の方に関しては、知恵を借りることが必要です。伝え、教わるという形が生きがいにもなり、私たちにとっても学びになります。
その方が持っている力をどうしたら発揮できるのかと、一人ひとりがやりたいことや力を発揮できることに取り組めるようサポートをしていくのが私たちの仕事です。

  • 委 託 株式会社ジャパンケアサービス(釜石市平田地区サポートセンター)
  • 発足日 平成23 年8 月
  • 所在地 岩手県釜石市大字平田第5 地割84 番5(平田公園多目的グランド内)
  • 代表者 上野 孝子
  • 連絡先 TEL 0193-55-4966 FAX 0193-55-4967
 
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