生活支援体制整備

本会では、県から生活支援体制整備支援事業を受託しています。
県内各地で活躍するSC(生活支援コーディネーター)の取組や悩みを共有するため、令和5年度から「SCリレートーク」を発行しております。

「テーマは“限界地域からの挑戦”」地域のかあちゃんたちが元気な直売所

産直施設「佐太子館」の概要

所在地秋田県湯沢市皆瀬山岸
※Googleマップで「産直施設佐太子館」と検索すると出てきます。
営業時間8:00~17:00
営業形態無人販売(代金箱あり)
運営開始8年前(2016年頃)
運営者地域住民

湯沢市中心から、大噴湯で有名な小安峡方面へ車を走らせること30分。小安峡より5kmほど手前、国道398号沿いにある「佐太子館」は、水車と旗が目印です。お伺いしたのは紅葉の盛りの10月でしたので、キノコ、芋、栗など、秋の味覚が盛りだくさん。

取材班が到着したのは11時前頃でしたが、すでに人気商品は売れてしまったとのこと。
とはいえ、秋ナスにキャベツ、キク、芋の子、ネギなど新鮮な野菜が手頃な価格で販売されていました。

この日は運営スタッフのお一人である沼倉さんにご案内いただきましたが、通常、購入する場合は、商品に貼られている金額シールを自分で確かめて、代金箱に入れる無人販売形式です。

現在、佐太子館の運営スタッフ(販売者)は11名。
生産品や山で採取したもの、加工品などをそれぞれが佐太子館に持ち寄り、販売しています。

水車小屋の横で味噌たんぽと栗を焼いていたのが、佐太子館の仕掛け人で大家の阿部さん。

ご自分の土地に小屋を建て、無償で地域住民に開放して産直施設を運営しています。

――なぜ、佐太子館を作ることにしたのですか?

阿部さん:
地域のかあちゃんたちに元気でいてほしいなと思ってね。ここは、立地がいいんですよ。国道沿いで交通量があるけれど、道幅が狭く減速してゆっくり走る場所だから、目に留まりやすい。

家の古材で小屋を建てて、水道工事と鍵の取り付け、旗の購入には補助金も活用しました。足元の資源を見直そうというのが始まりですね。

――足元の資源というと…

阿部さん:
土地、人、産物を活用することを考える。ないものねだりはしない。自分たちの足元にある資源を見直す。限界集落でも、何かはあるものです。私自身の持っているもの、培ってきたものだって、活用できる
ここの水は、1km先の湧水を地下配管で引いてきているんです。生まれ育った家の水車がある風景が心に残っていて、ここにも水車を作りたかった。

――この集落に“ある”ものの活用を考えたということなのですね。

阿部さん:
ここは限界集落だけど、自分が生まれ育った場所だから、消滅させたくない。どうせ限界集落だから…って嘆いているよりは、ポジティブに!今ここで生きている人が生きがいを持ってイキイキと生きていたら、若い人の目にも留まるかもしれない…と。

動いてみて初めて見えることもある。動いてみては反省して、その繰り返しですよ。こういうのに正解はないですから。

――この集落には「元気なかあちゃんたち」もいたわけですものね。

阿部さん:
歳をとったら悟っちゃう人もいるけど、悟っちゃ駄目だよね、元気でいるためには。欲がないとね。
夕方になると皆ここに精算に来るんですよ。そして、売り上げがいくらだったかって井戸端会議が始まるでしょ。「明日は負けないぞ」って、これも欲ですよ。元気でいるためには、これが大事ですよ。

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秋田県委託 生活支援体制整備支援事業