生活支援体制整備

本会では、県から生活支援体制整備支援事業を受託しています。
県内各地で活躍するSC(生活支援コーディネーター)の取組や悩みを共有するため、令和5年度から「SCリレートーク」を発行しております。

第1層生活支援コーディネーター
横手市社会福祉協議会 川越 晃彦さん

平成18年4月から社協に入職し、小地域ネットワーク活動等の地域福祉事業を通して地域の皆さんと安心して暮らし続けられる地域づくりを進める。令和2年度から第一層SCとして活動。

活動範囲

横手市内全域

活動内容

社会資源の情報発信やつなぎ、必要な取組を地域に働きかけて一緒に検討し実践につながるよう取り組む。 など

「誰かの隣を一緒に歩くだけでボランティアです」
 マッチングを担うSCの”見つけかた”と”つなぎかた”

これまでの成果
  • 交通手段が少なく集いの場に参加しづらい地域で、温泉施設による送迎付きサロンの立ち上げを支援。(サロンは月1回開催)
  • 病院や企業、介護保険事業所、ボランティア団体等に協力を呼びかけて、“おでかけ”付き添いボランティア養成講座を実施。(現在14人が活動)
  • 高齢者の活躍する場や子どもたちの福祉教育・多世代交流の機会づくりを行うため、地域食堂の立ち上げ支援(現在月1回開催)や学校の福祉学習の支援(高齢者との交流など)を実施。
課題
  • 住民主体の取り組みに思うように移行していけないこと。
  • 生活支援や介護予防に関心の薄い住民や団体等に興味を持ってもらうこと。   など
横手市社協SCの皆さん
お揃いの上着かと思ったら…背中は一人ひとり違いました!

\事務局から、川越さんへインタビュー/

――横手市のSCは、皆さん横手市社協にいらっしゃるということでよいのですよね?各地区担当の方は、支所にいらっしゃるんですか?

そうですね、自分が1層SCで、2層SCが3名います。4人とも同じ事務所にいます。

――差支えない範囲で皆さんの業務内容と、1・2層の役割分担を教えてください。

令和2年度から4名体制ですが、今年度からは皆が「専任」になりました。

横手市内は、合併前の旧市町村で見ると8地区ありますが、2層SCが「エリアマネージャー」という名前で、2~3地区ずつ担当しています。1層SCは、地区をまたぐ調整や、全市的な活動を担当しています。

――昨年度のリレートークに書いていただいた活動の詳細をお聞きしたいのですが、…送迎付きサロン付き添いボランティア地域食堂、これらはどんな経緯で企画されたものなのでしょうか?

どれも、地域から聞こえたニーズがきっかけです。

――ニーズはどこでキャッチすることが多いですか?

人の集まっている所ですね。
サロン等の地域の集まり地域ケア会議の場合もあります。
そこで聞いた話を元に、ほかの社協職員と情報共有したり、必要に応じて個別訪問することもあります。
その場で何らかの支援やサービスに繋げることもあります。

――“おでかけ”付き添いボランティアや送迎付きサロンの立ち上げ支援は、別途、取材編で詳細にお伝えしたいと思います。
――地域食堂は…多世代の集える場ということでしょうか?

多世代交流高齢者の活躍の場づくりとして取り組んでいます。

社協では子ども向けに福祉教育も行っていて、学校とも連携がとりやすいです。自分が元々福祉教育を担当していたこともあり、地域食堂に関しても案内など協力いただきました。

――こちらのきっかけは?

地域に「子ども食堂をやってみたい」という高齢者の方がいらっしゃったので、想いを叶えられるように後押ししたんです。

――どうやって後押ししたのですか?

市内で子ども食堂を運営している方に、講師として来ていただいて、研修をしました。

それから、地区の中で3カ所くらい、色々な会場で実際にお試し開催してみました。食材とボランティアを募集するチラシを作って住民に案内したり、エリアマネージャーがお肉屋さんに声をかけたりして…食材がたくさん集まりびっくりしました(笑)

――担い手のほうはどうでしたか?

高齢者の集まるサロンには参加しないけれど、子ども達のために何かできるなら…と興味を持ってくれた人がいましたね。「役に立ちたい、手伝いたい」という気持ちで。

ボランティアは、一般の方や学生もいますが、ほとんど高齢者の方です。勉強を教えてくれたり、趣味のマジックを披露してくれたり、寄せられた大量の食材でたっぷり食事を作ったり…
それぞれの得意なことで、運営に参加してくれています。

参加者を子どもに限定しないので「地域食堂」と呼んでいますが、この食堂が、高齢者の活躍の場であり、あらゆる世代をつなぐ場になっています。

SCとしては、きっかけづくりというか、やりたい気持ちのある方の後押しをしただけだと思っています。

――(紙面には出ていないのですが)川越さんのお話には「つなぐ」という言葉が、自然に、たくさん登場していました。
 足を運び、直接お会いになっているのが印象的で、色々な人や団体、機関に協力してもらう下地になっているように思います。
――そして、川越さんのおっしゃる「後押し」というのは、活動を始めるに当たっての「ハードルを下げるためのサポート」のように感じました。
――最後に、川越さんの感じている課題について、お聞きしたいです。

ニーズと資源をどうつなげていくか、ということです。

今、手元に見えているニーズと資源だけではなくて「サロンに来ていない人」「ボランティアに興味ない人」「福祉に関係ない所(一般企業など)」といった、今見えていないものと、どうつなげていくか。

今年度(令和6年度)、横手市役所と地域包括支援センターとSCの三者で、毎月研修を行っています。年度初めにそれぞれの抱える課題から「つまづき」「居場所」「ひきこもり」という3つのテーマを決め、テーマごとにチームを作って、調査や検討を続けています。
横手市のこれからの生活支援体制整備事業に繋げていけたらと話しているところです。

川越さん、ありがとうございました!

PDF版

お問い合わせ

お問い合わせ先社会福祉法人 秋田県社会福祉協議会
地域福祉・生きがい振興部 生きがい・健康づくり担当
住所〒010-0922 秋田市旭北栄町1-5 社会福祉会館
電話番号018-824-2777
FAX番号018-864-2742
メールアドレスikigai@akitakenshakyo.or.jp

秋田県委託 生活支援体制整備支援事業