本会では、県から生活支援体制整備支援事業を受託しています。
県内各地で活躍するSC(生活支援コーディネーター)の取組や悩みを共有するため、令和5年度から「SCリレートーク」を発行しております。
\今回の取材内容/
公共交通利用の取組(男鹿市社協)
「今ある資源を、地域で使ってみる」
―“乗って守る”公共交通から考える、外出支援のはじめの一歩
keyword:#公共交通 #まず乗ってみればいいのでは #集落支援員
公共交通や市町村独自の移動手段——皆さんは、実際に使ったことがありますか?地域の方に紹介できますか?
今回は、男鹿市で今年度モデル的に進めている、公共交通に実際に乗ってみる取組について、男鹿市社協の関谷さんにお聞きしました。

ひと目でわかるまとめ ”取組ロードマップ”
| 取組 | 内容 |
|---|---|
| 住民座談会 | 市内全地区で、移動をテーマに住民の声を聞いた。 |
| 1層協議体 | 「まずは乗ってみればいいのでは」という意見が出た。 |
| モデル地区での実施 | 座談会で前向きな声があった地区でモデル的に実施するため準備を進めている。 |
| 実施前の下準備 | バス会社への乗車状況確認、関係課への事前相談を行う。 |
| 2層協議体 | 構成員や集落支援員に、実施の協力を相談。 |
| チーム打合せ | 関係者で具体的な内容を検討していく。 |
| 継続・展開 | 地域での継続に繋ぎ、他地区への展開も見据える。 |
きっかけは、全地区で行った住民座談会
男鹿市内には9つの地区があります。昨年度、全ての地区で「移動」をテーマにした住民座談会を実施したところ、どの地区でも、この問題は大きなテーマでした。
一方で、「移動に困っている」という声がある中でも、実際には公共交通を使ったことがない方も多くいました。市内を走る公共交通は、距離に関わらず1乗車200円で利用できますが、「乗ったことがない」「使い方が分からない」という声も聞かれました。
「まずは乗ってみる」から始める
こうした地域の声を、市地域包括支援センターが主催する1層協議体で共有したところ、「まずは、みんなでバスに乗ってみたらいいのでは」という意見が出ました。
移動手段が地域にあっても、使い方が分からなければ、暮らしの中では使いにくい資源のままです。そこで今年度は、座談会で前向きな声があった地区を中心に、公共交通に実際に乗ってみる取組をモデル的に進めることになりました。
今ある仕組みを、安心して使うために
乗り換えなしで行けるスーパーを目的地とし、地域で集合してバスに乗り、買い物や昼食を楽しんで戻ってくる行程を想定しています。手助けが必要になる前に、出かける機会を持ち、買い物や交流を楽しみながら自然に体を動かすことが、介護予防にもつながるのではないかと考えています。
実施にあたっては、大勢で乗っても大丈夫かどうか、バス会社に事前に連絡し、通常の乗車人数や座席の状況を確認しました。今ある公共交通を使う取組だからこそ、運行する側にも事前に確認し、安心して実施できるよう準備を進めています。
モデル的実施から、地域での継続へ
この取組には、2層協議体の構成員や、集落支援員の方にも協力いただく予定です。地域の実情や資源に詳しい方々に、企画の段階から関わっていただくことで、より地域に合った、継続しやすい形を目指しています。
2層協議体では、「対象者を募って行くのですか」「普通のバスで行くのですか」といった質問のほか、「忙しいというのが本音ではあるが、やってみないと分からないものなあ。まず、やってみるか」といった前向きな声もいただけました。今後は対象地区の構成員や集落支援員と、具体的な内容を詰めていく予定です。
住民の「やってみようかな」を支える

初回のお試しの様子。
皆さん買い物を楽しみました!
モデル的実施を前向きに考えている地区の一つでは、全体の動きより一足早く、民生委員さんが「一度乗ってみよう」と自主的に計画してくれました。SCも同行し、初回のお試しを後押しするため、行事用保険の費用とバス代を社協で助成しました。
実際にやってみると、参加者からは「みんなで来るのもいいね」「子どもたちと来ると、必要なものを買って帰るだけで、ゆっくり見て回ることはない」といった声が聞かれました。まちの変化を知る機会にもなり、中心になった民生委員さんからは、今後も数か月に1回続けたいという声が聞かれています。
PDF版
秋田県委託 生活支援体制整備支援事業