本会では、県から生活支援体制整備支援事業を受託しています。
県内各地で活躍するSC(生活支援コーディネーター)の取組や悩みを共有するため、令和5年度から「SCリレートーク」を発行しております。
大館市社会福祉協議会
1層生活支援コーディネーター 戸澤さん

活動範囲
市内全域 (2層SCが7名)
活動内容
第2層SCの活動を支えるための後方支援、市全域での周知活動など
経歴
平成24年入職。地域包括支援センターの社会福祉士として従事後、平成30年から地域福祉係にて第1層SCとして活動中。
地域住民と第2層が主役になる仕組みをつくる
\事務局から、戸澤さんへインタビュー/
第1層は、地域と第2層を支える「土台」
――1層の役割を、協議体でどうやって説明していますか?
「大事なのは2層で、1層協議体は“縁の下の力持ち”です」
「住民の活動が活発化するためには“2層の方が動きやすい環境”が必要であり、“1層よりも2層の方が重要”です」
……と、説明しています。
説明の時に使う図も、地域(住民、町内、活動実践者等)が一番上、1層は一番下から支える図にしています。

◀大館市 第1層・第2層・地域の役割
地域を一番上に置き、第1層が下から支える構造を示した大館市の役割図。年度始めには、それぞれの役割をこの図で共有しています。

1層協議体の委員には、「各地域での活動に手助けが必要なときは、手伝ってくださいね」と日頃から話しています。
――協議体の皆さんの協力体制が強いのですね!
平成30年の事業開始時、住民によるワークショップを重ねて、《目指す大館市像》と《1層の構成員》を決めた経緯があります。
住民が必要だと考えた構成員なので、たとえ委員が交代しても「地域の人から選ばれた役割です」と説明していますし、目指す姿に向けて必要な活動を手伝うのは、協議体構成員として自然な流れだと思うので、普通に協力を依頼します。
1層SCは黒子の黒子
――資料を見ると、委員が受付・ワークショップのファシリテーターもしていますね。
そうですね。
例えば、
◇町内会関係者向けの情報交換会「おおだて町内会支え合いサミット」(3月開催)では、1層協議体・委員長に開会挨拶を
◇解散した町内会での話合いには、1・2層の委員の方にアドバイザーとして協力を
◇町内会長連絡協議会での事業説明では、1層委員(町内会長として出席)が「私が説明する」と張り切っていたので、説明をお願いして……
―― 等々、たくさん協力していただいてます。
同じ内容でも、それを誰の言葉で話すかで伝わり方が変わりますよね。“町内会の重要性”を、社協が言うのと、《元町内会長の委員長》や《現町内会長》が言うのとでは、重みや伝わりやすさが違う。
『誰に話してもらえば、すんなり理解してもらえるか?』と考えます。
相手にとって、《対等な方》や《仲間》が、情報を伝え、協力をお願いすると、多少説明が足りなくても伝わります。
私たちが表に出た結果、「何も分かっていない人に言われたくない」と言われ、「何かを押し付けられる」と思われ、時間をかけて説明に苦労し……と、なるよりも、黒子として動いたほうが効率的かな、と考えてます。
――委員さんは、“役割を認識している”から、“協力してくれる”ということでしょうか?
“協力してもらう”ことで、“役割を認識してもらう”機会をつくるようにしています。
体験してもらうことで、初めて自分事になっていきます。役割を持って活躍してもらうことで、さらに進んで行動してくださるようになったり、改善するための意見をもらえたり、「また一緒にがんばろう」と言ってもらえたり。
委員の皆さんに、事業の結果や効果を感じてもらうには、関わってもらうのが一番です。
委員の方自身のモチベーションにもなっているため、私たちは『委員の皆さんを信じて任せること』が重要だと考えています。
私たちがいなくても、支え合いの地域づくりが広がっていく
―― そうなるような働きかけをしていかなければ、困りごとを抱える方々の増加に、対応できないと思います。
地域の声を具体的に伝える
――と言っても、協議体の方も忙しいし、実際にお願いするのは難しそうです。
そこは、現場を知っていることが強みになります。
大館市では、2層SCが各包括圏域の社会福祉法人に配置されています。普段の地域の状況に加え、重層事業の支援会議に出席しているので、会議で共有される課題についても把握しています。 それらの課題や困っている方に対して『地域で解決できそう』とSCが感じたケースでは、住民の活動者に状況を具体的に伝えます。

ただ「やってみませんか」と相談するのではなく、「どんな支援が・なぜ今必要なのか」の詳細を伝えます。

◀ 戸澤さん「重層事業の個別の困りごとを地域の活動につなげた第2層SCの素晴らしい事例です!」
苦労したときがあったからこそ
――戸澤さんが苦労したことをお聞きしてもいいですか。
協議体で出される意見が“行政批判”になってしまうことが何度もあり、険悪な雰囲気になるときもありました。
以前、「行政に対して要望書を提出する」という方向で意見がまとまってしまったときは……行政に相談し(行政からの委託事業なので)、結果的には「報告書」と改め、提出しました。
協議体の中で意見が対立した際には、 目的や《目指す大館市像》を思い出してもらい、「ケンカしている場合ではない」と、穏やかに伝えるようにして、対処しています。
やはり、初めに《目指す大館市像》と《1層の構成員》を、住民によるワークショップで決定したことが、本当に良かった、と思います。
立上げから実践まで、すべて一貫して“住民の思い”を尊重し、それを“支える”立場で関わること——これを大切にしなければならない、と感じます。
住民主体の活動は、住民の思いがあるところでしか始まらない。押し付けるわけにはいきません。
なので、日頃からあちこちにお邪魔して、常に種まきの周知活動を続けています。
種をまき続け、どこかで芽が出てきたら、できる限り2層を中心に関わらせていただき、応援を続けます。私たちは常に、下から、『関わらせていただく』という態度で活動しています。
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秋田県委託 生活支援体制整備支援事業