本会では、県から生活支援体制整備支援事業を受託しています。
県内各地で活躍するSC(生活支援コーディネーター)の取組や悩みを共有するため、令和5年度から「SCリレートーク」を発行しております。
取材編#03から4回連続で県内の移動支援の取組をご紹介しています。
県が把握する事例の中から、ここ数年で事業を始められた方へ、取組開始までの経緯を中心に取材しました。
今回は、市町村(交通政策分野)の事例をお伝えします。
\今回の取材内容/
住民組織による移動支援(由利本荘市・地域づくり推進課)
由利本荘市「小さな移動手段」住民組織を市がサポート
keyword:#市の補助制度 #地域づくり #実績を作る
取組の経緯
「バス停が遠い、バス停まで行けない」「バスは時間が決まっているから使いづらい」「最終目的地まで直接行けない」等々…住民との対話会の際に出てきた意見がきっかけとなりました。
市の中心地から離れた集落では、路線バスやコミュニティバスの運行が廃止された場所もあり、また高齢化も進んでいることから、より住民の暮らしにフィットした仕組みが必要となっていました。
そうした住民の細かなニーズに対応した「小さな移動手段」を作るため、市では『乗り〔逢い〕交通』事業を立上げました。地域で移動手段導入を検討する際に、市がニーズ把握・対話会実施のサポート、経費の一部補助を行う事業です。
まずは、移動に関する要望があった地域のうち、30世帯程度と小規模で、かつキーパーソンとなる住民がいる小菅野集落にこの事業を提案し、3ヶ月程度でボランティアによる互助輸送の立ち上げに繋げました。
その後も、同じく要望のあった石沢地区、西沢地区でも互助輸送が立ち上がります。
どちらも2年の準備期間を経て、石沢地区は令和3年、西沢地区は令和6年から運行開始となりました。
取組のポイント
\ 選べる導入パターン /
事業の導入パターンは3つあり、各地区で状況に合わせた選択ができるように設計されています。
◆地域に交通事業者がいる場合
①「乗合タクシー」の導入を検討
◆交通事業者がいない場合
②「公共交通空白地有償運送」もしくは③「互助による輸送」
\ 地域の交通への配慮 /
互助輸送は、時間等の制限があるとはいっても、料金が安く設定されている分、地域の交通事業者に影響が出る可能性もあります。導入前に市担当者が交通事業者への説明を行うなどの配慮をしています。
\ 市のサポート /
住民にやりたい気持ちがあっても、白タク行為等のルールまで細かく把握する必要があり、住民から「やりたい」と手を挙げてもらうのは難しいのが現実です。そのため、市としてサポートする姿勢を示し、住民に伴走して導入を進めています。
例えば、今年度からスタートした西沢地区は、由利の中で最も奥まった場所にあり、住民の危機感が強い地区でしたが、互助輸送を導入するに当たっては住民の不安も強くありました。「バスは路線が自宅から遠い場合もあるが、互助輸送なら家まで行ける」といった住民にとってメリットとなる情報を伝え、様々な手続きを手助けすることで導入に繋げています。
\ 実績をつくる /
一つでも、小さくても、導入実績を作ることで、2,3例目に続けやすくなります。キーパーソンとの意思疎通がしやすい、実施規模が小さいなど、進めやすい事例でまずは実績を作ることが重要です。
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